2025年からいよいよ本格的に販売がスタートした新型Macan Electric(以下、マカンEV)。 EBI GROUP の各拠点でも、デモカーでの試乗予約がスタートしております。
最先端のポルシェレーシングテクノロジーが注ぎ込まれ、電動化によって磨き上げられたハイパフォーマンスSUVは、現時点での“ベストスポーツカーSUV”であると、各方面で話題をさらっています。

EBI DIGITAL STUDIO 編集部では、このスーパーSUVの魅力をどこよりも詳細にお伝えしたいと考え、#1|エクステリア編、#2|インテリア/新機能編、 #3|試乗レビュー編、と3回に分けて、深く掘り下げてまいります。
今回は、ポルシェのDNAを色濃く受け継いだ「エクステリアデザイン」について、特別に撮り下ろした写真と共にご紹介していきます。

美しきクーペフォルムに
隠しきれない獰猛さを宿す
SUVという既存の枠を超え、ポルシェらしいスポーツカーのDNAを宿した〈マカン〉。そのエクステリアデザインは、2013年に初代モデルが誕生するやいなや、世界におけるSUVのデザインの常識を大きく塗り替え、今やトレンドセッターとして業界を牽引しています。
では〈マカン〉のなにが、ここまで人を魅了するのでしょうか。
〈マカン〉と聞いてまず思い浮かぶのは、美しいクーペフォルムに共存する独特なプロポーションです。ボディの四隅ギリギリに配置された太いタイヤ、それをなんとか収めるために盛り上がった筋肉質な左右フェンダー、そして前方に低く構えたフロントノーズ。
いずれも高性能スポーツカーの特徴であり、これらを内包する〈マカン〉はやはりポルシェスポーツカーの魂を宿している車だと認識せざるを得ません。

例えるなら、その姿はまるで茂みの中で遭遇してしまった、野生の「Macan(虎)」のよう。すぐに飛び掛かることができるように肩を盛り上げ、重心を低くくして構える虎です。このしなやかで、獰猛ささえ暗示させる動的なフォルムこそが、〈マカン〉のアイデンティティであり、人を惹きつける最大の要因なのです。
そして新型〈マカンEV〉は、この迫力のフォルムを完璧に継承しただけではなく、大きく進化させました。ポルシェのデザインフィロソフィーの「伝統」と、未来へ向かう「革新」を、絶妙なバランスで共存させながら、圧倒的な存在感を放っているのです。しかも先代と同じコンポーネントは、ひとつとして存在しないというから驚きです。
そんな唯一無二のデザインを、フロントフェイスから順に追ってみましょう。
見る者を惹きこむ
精悍なフロントフェイス
〈マカンEV〉のフロントフェイスを一言で表すなら「精悍さの極み」でしょう。
すべてが刷新されたフロントグリルやエアインテークのデザインは、最先端のレーシングテクノロジーを彷彿とさせ、非常に洗練された印象を与えます。エンジンを積まない低いボンネットが、左右の隆起したフェンダーラインをより際立たせています。
そして、新型のフロントフェイスを最も印象付けるのは、ポルシェでは初となる「スプリットヘッドライト」です。

前モデルまではヘッドライトは左右一つずつの設えで、4灯LEDの中央部にメインビームが備わっていたため、特に夜間においては4灯の輪郭がぼやけていました。しかし今回、メインビームとデイライトが別体となり、それぞれが独立ユニットとして配置されたことで、上部の4灯LEDがより細部まで際立ち、精悍な表情に変えたのです。
このデイライト4灯LEDは、世界3大レースの1つである、ル・マン24時間レースを3連覇したハイパーカー〈ポルシェ919ハイブリッド〉や、後継機として現在も活躍する〈ポルシェ963〉のヘッドライトユニットからインスピレーションを得て、生まれました。

暗闇にこの4灯が浮き上がれば、前方車のルームミラーに映り込む〈マカンEV〉に、ドライバーは〈ポルシェ963〉の幻影を見ることでしょう。
アクセルを踏み込まなくとも
感じるアグレッシブな躍動感

〈マカンEV〉を回り込み、ボディサイドを眺めていくと、その造形の美しさに息を呑みます。鍛え上げられた筋肉のように張り出したフェンダーに、大径ホイールを包み込むダイナミックなアーチ。
前モデルから、85mmも伸びたホイールベース(前輪中心から後輪中心までの距離)がつくりだした伸びやかなフォルムを、〈918スパイダー〉からインスパイアされたサイドブレードが引き締めます。
そして視線を上げると見えるのが、後方に向かって緩やかに流れるフライライン。すべてが「静止しているのに、まるで動いている」かのようです。そんな錯覚に陥るほど、〈マカンEV〉のボディサイドはアグレッシブさに満ち溢れています。

リアビューが物語る
ポルシェの品格
車体の背後に回ると、ルーフからリアエンドまで一切の淀みなく、流れるように落ちていく流麗なバックシャンに惚れ惚れするでしょう。
リアクォーターパネルからテールランプに向かって描かれるそのラインは、ポルシェのデザイナーたちが長年磨き上げてきた、アイデンティティそのものを見ているかのようです。このラインに落ちる陰影はどの角度から見ても完璧です。光の入り方により、いくつもの妖艶な表情を見せてくれます。

もうひとつ、自然と目を惹くのが、立体的な「PORSCHE」ロゴと3Dライトストリップです。「PORSCHE」ロゴはクリア素材が用いられているため、LEDライトストリップが灯るとその光を受けて、幻想的に浮かび上がります。
この一文字のLEDライトストリップが夜間に点灯すると、あたかも日暮れどきの水平線のように車幅いっぱいに光が広がり、一目で後続車にポルシェだと認識させます。

ポルシェがこの一文字のライトストリップを使い始めて以降、多くのメーカーがこぞって追随しましたが、ライトの形だけで完璧なリアビューを手に入れることはできません。
最高性能の証である太いリアタイヤや、それを覆う筋肉質なフェンダーライン、そして大前提であるマシンパフォーマンスなど……さまざまな要素が絡み合い、ポルシェのリアビューは“公道の王者”たる威厳を放つのです。
空気力学の追求が
究極の機能美を生み出した

新型〈マカンEV〉が一線を画す、まったくの「革新性」。それは、全身に纏う最新のアクティブ・エアロダイナミクス・テクノロジーにあります。例えば、徹底的に磨きこまれた流線形のフォルム、フレームレスドア、可動式のエアインテーク冷却フラップ、そして速度感応展開式のリアスポイラーなどなど。
すべては、1mm単位で空気の流れを整えるために、最先端の風洞実験を経て生まれたものです。空気抵抗を大幅に削減できたことで、高速域での走行安定性が上がり、EVの懸念点であった航続距離も大幅に伸びました。
〈マカンEV〉の美しいフォルムは美観のためだけに整えられたわけではありません。空気力学を軸に性能を徹底的に追求した先に生まれた、究極的な機能美のフォルムであると言えるでしょう。
「最新のポルシェ」 の証明
進化したクレストが鎮座
最後に、〈マカンEV〉のエクステリアで忘れてはいけないのが、ポルシェクレストの進化です。クレストのデザインを担当したヨアヒム・ペッツェル氏は、何度も何度もデザインを見返しながら、なんと3年もの月日をかけて生み出したと話していました。

ゴールド部分はブラッシュ仕上げによって、最高級のシルクサテンのような素晴らしい質感へ。そして、“知性”を表す赤はハニカム構造となり、クレスト全体をより立体的に見せています。中央のシュトゥットガルト市の公式紋章である馬のデザインも刷新され、より繊細なタッチで細部まで描かれました。
以前までのものとよく見比べると、程よい光沢感と繊細さが洗練された印象を醸し出し、新しい〈マカンEV〉に本当によく似合っています。
未来を切り拓くデザインの集大成
これまで見てきた通り、〈マカンEV〉 のエクステリアは、ポルシェの「伝統」を尊重しながらも、新しい時代を切り開いていくのにふさわしい大幅な「進化」を遂げていました。
細部にわたるこだわり、機能性を徹底追求したデザイン、そして見る者を惹きつける美しさ。そのすべてが、この車を特別な存在にしているのだと強く感じました。だからこそフロントフェンダーに鎮座する「electric」のロゴに、驚きを隠せません。

BEVのゲームチェンジャーである〈タイカン〉同様、ポルシェファミリーにおいて革新的な存在であることを誇示しているようです。
この記事を読まれて、〈マカンEV〉に興味を持たれた方は、EBI GROUP のE-Performanceセンターでもある「ポルシェスタジオ銀座」まで、ぜひお気軽にお問い合わせください。EVスペシャリストのPORSCHE PROが多数在籍していますので、ポルシェのEVについてのあらゆるご相談が可能です。
次回の「#2|インテリア/新機能編」では、インテリア/新機能について、深掘りをしていきますので、ぜひ楽しみにお待ちいただければと思います。
